遺骨が土に還る時間はどれくらいなのか

皆さんこんにちは、㈱たくみの児玉です、ご覧いただきありがとうございます。

古いお墓の墓閉まいや、墓石の全面リフォーム、改葬(お墓の引っ越し)の際に、絶対にやらなければならない作業が、埋葬されている遺骨の回収です。

土葬の時代の遺骨や、カロート(納骨室)が無く、直接地面に焼骨を埋めて葬っているお墓では、「もう何十年も前に埋めた遺骨だから土に還っていて何も無いはず」とお客様に言われる事が多いので、実際の私達の経験をお話したいと思います。

※この記事は土葬を墓地から掘り起こした際の生々しい文章も含まれますので注意して下さい。

古いお墓では、土葬を掘り起こす依頼を時々お受けします、最後の埋葬が昭和25年前後の案件が多く、月日に換算すると70年以上経過している土葬です、

重機の小型ショベルで地下1.5m程掘ると、かなり水分を含んだ土に変わり、腐敗の悪臭が‥

具体的にどんな匂いかと言いますと、掃除されていないドブの匂いに近いですね、、

これは、まもなく仏様が出て来るサインでもあって、そこからは職人さんも慌ただしくなります、重機のオペ担当は優しい操作に切り替わり、まわりで補助している人達もより慎重に掘り進みます、、ここで、いつも感じる事は「埋葬位置」で、着工前にお客様から「この真下に埋まっている」と言われた場所より、数メートル離れた場所で発見する事が多く、この匂いのきつさと水分をたよりにしながら範囲を広げて皆で探します。そして、だいたいは無事に仏様を発見できます。

埋葬位置にズレがあり、お客様は「土中で生き返って動いた」など驚きますが、それは信憑性の無い話で、1番の理由は数十年も昔の出来事で『記憶違い』が原因かと思います。(他にも大雨や地震なども因果関係はあるかもしれません)

ご対面した仏様、状態は様々ですが、、、

驚く事に、しっかりと遺骨が残っている事がほとんどなのです(もちろん身体の骨が全部丸々ではありません)。

遺体を木製の甕(かめ)に入れて埋葬した場合などは、装束はもちろん、肉片や髪の毛がついている仏様が出土する事も珍しくありません(肉片が残っている場合には火葬場で適切な処理を致します)、また、歯は骨よりも丈夫な為、その付近に必ず残っていて、生前の歯の健康状態が観察できる時もあるくらいです。

次に、火葬した遺骨を直に地面に埋めた場合ですが、この場合には土葬より浅く埋まっている為か、ほぼその全てが綺麗にその場に残っており、大量に回収できてお客様に驚かれる事が多いです。

長々と経験を書きましたが、すなわちそうなんです、、実はどんな方法で土に埋めても、「人が土に還る」為には相当な時間を要するのです。(土壌環境など場所によって時間は変わります)

物質が土と化すメカニズムは、土中の酸やバクテリアの働きによってそれが溶けて行くので、酸性が弱い土中やバクテリアが活発に作用しない環境などは特に溶けるのに時間がかかります、前述した悪臭は肉や内臓が腐敗して溶けている匂いで、骨や歯のような丈夫な部位は70年以上かかっても全てが土には還らないのです、、

小学校の記念で良くやる、タイムカプセルなどが解りやすいですね。

また、火葬した遺骨は800℃～1200℃の高温で遺体を処理する際に骨がセラミック化し、まるで陶器のように丈夫になると言われ、更に土に還るには時間を要します、火葬した骨が完全に還るには200年～300年とも言われています。(エビデンスが存在しないので推定です)

私達㈱たくみは、土葬などの依頼を受けた際はご先祖様がタイムスリップして皆さんにお会いできるよう、職人一丸となってご遺骨やご遺体を土中から探します。

少し異様な光景に思えるかも知れませんが、一同大歓迎です！

しかし、石材店の中には面倒なのか、実績がないのか、気持ち悪いのか、「50年以上経過してれば土に還っているはず」などと決めつけて掘り起こし作業すらせずにリフォームの基礎工事をされてしまった事例もあるようで、大切なご先祖様を厚み15cmの鉄筋コンクリートで封鎖とは、、なんとも失礼ですね。

墓石リフォーム、引っ越し、墓閉まいのご相談は実績のある当社へ是非ご連絡くださいませ！

リフォーム事例

山武市共同墓地　約5㎡

旧墓石全解体、土葬掘り2体、新外柵設置、既存石碑再建立工事

187万円(税込)　　2022年工事完了済み

また、土葬掘りのみも承っております。

基本料金　1体につき15万円程度～※現場状況や遠方によって金額は変わります。(仏様の出土を保証するものではありません)